イギリスは2021年1月1日をもってEUの単一市場および関税同盟から正式に離脱しました(「ブレグジット」)。この日付以降、イギリスでは新しいVAT規則が導入されました。これにより、出品者によるイギリスの購入者への特定の販売に計上されるVATの算出方法が変更になります。
2021年1月1日より、Amazonは、Amazonストアフロントで注文され、イギリスのVATに登録していないイギリスの購入者に配送される以下の商品販売に対し、イギリスのVATを徴収する責任を負います。
上記のいずれかに該当する場合、Amazonは、購入者が購入手続きをした時点でイギリスのVATを計算して徴収し、イギリスの税務当局に直接納付します。出品者は、決済時にイギリスのVAT金額を受け取ることはありません。また、これらの金額をイギリスの税務当局に納付する必要もありません。
北アイルランドの購入者に配送される商品の一部販売には例外があり、出品者は引き続き、イギリスのVATの納税義務を負う場合があります。
イギリスでVAT登録済みの法人/個人事業主のお客様への販売を含むその他の供給について、出品者は引き続き、イギリスのVATを計上する責任を負います。これらの供給については、この文書に記載されている算出方法が引き続き適用されます。
Amazonがこれらの供給に対してイギリスのVATを算定および徴収する方法について詳しくは、電子商取引法におけるイギリスのVATヘルプページをご覧ください。
ノルウェーでは、電子商取引法に基づくVATが導入されました。これにより、出品者によるノルウェーの購入者への特定の販売に関してVATの算出方法が変更になります。
2021年4月28日より、Amazonは、すべてのAmazonストアで注文され、ノルウェーの購入者に配送される以下の商品販売に対し、ノルウェーのVATを徴収する責任を負います。
これらのトランザクションについて、Amazonは、購入者が購入手続きをした時点でノルウェーのVATを計算して徴収し、ノルウェーの税務当局に直接納付します。出品者は、決済時にノルウェーのVATの金額を受け取ることはありません。また、これらの金額をノルウェーの税務当局に納付する必要もありません。
ノルウェーのVATに登録しているノルウェーの購入者(B2Bの購入者)に商品を配送する場合、B2Bの購入者は、VAT還付によりノルウェーのVATを自己申告する責任があります。
出品者がノルウェーに保管している在庫から配送する場合、またはノルウェーに拠点がある場合は、出品者のVATに関する責任に変更はありません。出品者は、これらの販売に対して、いかなるVAT税額についても計上する責任を負います。
Amazonがこれらの供給に対してノルウェーのVATを算定および徴収する方法について詳しくは、ノルウェーにおける電子商取引法に基づくVATをご覧ください。
2021年7月1日より、Amazonは、すべてのAmazonストアで注文され、VAT登録されていないEUの購入者(B2C)に配送される以下の電子商取引による商品販売に対し、VATを徴収します。
上記のいずれかに該当する場合、Amazonは、欧州付加価値税(EU VAT)を計算して購入者から徴収し、EUの各税務当局に直接納付します。出品者は、決済時に欧州付加価値税(EU VAT)の金額を受け取ることはありません。また、これらのVAT金額をEUの税務当局に報告または納付する必要もありません。
Amazonが請求するVAT率は、購入者に配送する国で適用される率になります。つまり、商品がスペインの購入者の住所に配送される場合、Amazonは関連するスペインのVAT率を適用します。
Amazonは、現在のVAT報告要件が引き続き適用されるEU域内で、VAT登録済みの購入者へ商品を販売または配送する際にVATを徴収することはありません。出品者は、引き続き在庫を保有するEU加盟国において、VAT登録の要件を満たす必要があります。
Amazonがこれらの供給に対して欧州付加価値税(EU VAT)を算定および徴収する方法について詳しくは、電子商取引における欧州付加価値税(EU VOEC)に関する法律 - 2021をご覧ください。
Amazonはすべての注文について、購入者が購入手続きをした時点でVATを徴収し、これを関連する税務当局に直接納付する責任を負います。Amazonでは、独自の商品関連のVAT率設定を使用してVAT計算を行います。AmazonのVAT計算サービスに対して出品者が設定した商品関連のVAT率設定は、これらの供給に対するVATの計算には使用されません。
出品者が設定した商品関連のVAT率設定は、その他すべての供給について引き続き使用され、いかなるVAT納税または輸入手数料の支払いについても、出品者が引き続き責任を負います。
2021年7月1日より、EUの国境を越えた遠隔販売(B2C)のVAT処理および報告に関して、以下の変更がEU域内で導入されます。
各EU加盟国で設定された遠隔販売のしきい値が廃止され、すべての国境を越えたB2C(企業-消費者間)商品供給において、配送先の原則による一般的な税金が適用されます。つまり、商品の配送先のEU国でVATが課税されます。そのため、出品者はB2Cでの遠隔販売を行う各EU加盟国において、VAT登録番号の取得を求められる場合があります。
34のマイクロビジネスについては、上記の規則に例外があります。出品者の主な事業地(「PPOB」)から出荷される国境を越えた遠隔販売が年間10.000ユーロを超えない場合、出品者は発送元の国(つまり、出品者のPPOB)からVATを請求し、徴収できます。他の国から出荷される注文には、この例外のメリットはなく、配送先の国で課税されます。
EU加盟国のうち最大27か国のEU VAT登録番号(VRN)の取得およびVAT申告管理に伴う管理業務の負荷を削減するため、EUではUnion One-Stop shop(連合ワンストップショップ:UOSS)ソリューションを導入しました。UOSSを利用する場合、商品を購入者(B2C)に出荷する際、すべてのEU加盟国でVATを登録する必要はありません。実際の発送元および配送先の国に関係なく、会社の拠点のある国で、EUにおけるすべての遠隔地へのB2C販売を、1度のVAT還付で報告できます。これにより、他のEU加盟国で在庫を保持するなど、VAT登録番号を取得する等の義務がなくなることはありません。
AmazonのVAT計算サービスでは、EUおよびイギリスのAmazonストアで販売された商品について、イギリス(「UK」)と27の欧州連合(「EU」または「EU27」)加盟国に対してのみVAT計算を行います。VAT計算は、出品者が決定した税金設定と、設定時に指定された関連するその他の出品者情報に基づいて行われます。AmazonのVAT計算サービスでは、EU加盟国以外およびイギリス以外の国のVAT計算は行っていません。
AmazonのVAT計算サービスでは、サードパーティ製のVAT計算ソフトウェアであるVertex Indirect Tax O Seriesを使用しています。このソフトウェアには、算出額の端数処理関連ロジックなど、VAT計算のルールおよびロジックが含まれています。AmazonのVAT計算サービスでは、以下のVAT計算機能および関連機能をサポートしています。
フランスに物理的な拠点を持っておらず、フランスでVAT登録済みの出品者が、Amazon.frで12.00ユーロの商品を出品し、フランスから商品を出荷してフランスにいるB2B購入者に商品を販売します。
VAT率 = 0%(非居住者の国内リバースチャージ)
VAT抜き商品価格の計算:12.00ユーロ/(1 + 0.20)= 10.00ユーロ(国内リバースチャージを算出する基準価格)
最終的なVAT込み(適用されるVATを含む)商品価格の計算:10.00ユーロ ×(1 + 0.00)= 10.00ユーロ
現在のところ、AmazonのVAT計算サービスは、以下の計算機能および関連機能をサポートしていません。
AmazonのVAT計算サービスは、出品者がセラーセントラルで提供または設定したVAT登録番号、PTC(商品タックスコード)、その他のVAT計算設定、および購入者が提供するVAT登録番号(該当する場合)の正確さに依存しています。出品者は、発送元住所などの情報や設定を必要に応じてセラーセントラルで更新し、常に正確かつ最新の状態に保つ全責任を負います。 Amazonは、AmazonのVAT計算サービスによって提供されるVAT計算やVAT請求書が常に正確であること、または関連する税務当局に適切なタイミングで報告すること(サービスに報告が含まれる場合)を表明または保証しません。また、Amazonには、出品者または購入者から提供された情報を確認または修正する義務はありません(ただし、Amazonの裁量により判断する場合があります)。特に、出品者または購入者から提供された情報が不正確または不完全であったために、VAT請求書に誤りが生じた場合、Amazonはその責任を負いません。また、Amazonが電子請求書または電子レポートを使用する状況で、出品者に有効な認証情報の提供を求める際、出品者がこれらの情報を提供しない場合、VAT請求書を作成することはできません。このような特定の状況においてVAT請求書を発行できない場合、Amazonはその責任を負いません。
出品者がVAT計算サービスに登録するための利用資格要件は、以下のとおりです。
セラーセントラルに登録されている出品者の正式名称は、税務当局が保有しているそれぞれのVAT登録番号に関連付けられている正式名称と一致する必要があります。
出品者は、イギリスまたはEU27か国のいずれかを「VAT抜き価格のデフォルトの国」として選択する必要があります。選択した国において、政府認証済みVAT登録番号を取得している必要があります。
AmazonのVAT計算サービスでは、ヨーロッパのAmazonストアに出品する際、トランザクションに関するVATの法的責任が存在する管轄を判断するために、すべての有効なVAT登録番号(EU27か国およびイギリスのみ)を使用します。VAT計算サービスでは、VAT計算およびVAT請求書の発行について、出品者のアカウントに登録されているEUのローカルVAT番号は無視されます。VAT登録番号はVAT計算サービスの登録手続き中に入力できます。その後、セラーセントラルの「出品用アカウント情報」にある「納税情報」セクションで管理できます。
Amazonでは、出品者および購入者の両方から提供されたVAT登録番号の認証(以下を参照)を定期的に行います。ただしAmazonでは、VAT計算サービスで使用されるVAT登録番号の有効性をいかなるときでも保証することはできません。VAT計算サービスには、EU加盟国またはイギリス政府が付与した、政府認証済みVAT登録番号のみが使用されます。
VAT登録番号は、さまざまな方法で認証されます。
出品者がヨーロッパのフルフィルメントセンター(FC)のいずれかに商品を保管している場合、VAT計算サービスでVATの計算およびVAT請求書の発行を行うには、当該管轄の政府認証済みVAT登録番号が必要です。たとえば、ドイツのフルフィルメントセンターに商品を保管している出品者は、ドイツのVIES認証済みVAT登録番号を取得している必要があります。
VAT計算サービスに正常に加入している出品者が、後になってVAT登録番号をセラーセントラルのアカウントから削除する場合、または出品者が対象の管轄で政府認証済みVAT登録番号を取得していない場合、VAT計算サービスで、購入者に対するVAT込み価格の請求は行われますが、VAT計算の実行やVAT請求書の作成は行われません。VAT計算サービスでは、ダウンロード可能なVAT請求書のマークが付いた、すべての注文の領収書のみが作成されます。そのため、請求書の作成は出品者の責任で行ってください。
2021年7月1日より、出品者は、B2C遠隔販売を行うEU加盟国ごとにVAT登録番号を取得する必要があります。または、出品者が税金の設定ページでUnion One Stop Shop(UOSS)の簡略化を選択している場合は、それを知らせる必要があります。
出品者が配送先の国でVAT番号を提供しておらず、UOSSの簡略化を選択していない場合、VAT計算サービスでは、購入者に対するVAT込み価格の請求は行われますが、VAT計算の実行やVAT請求書の作成は行われません。VAT計算サービスでは、ダウンロード可能なVAT請求書のマークが付いた、すべての注文の領収書のみが作成されます。そのため、請求書の作成は出品者の責任で行ってください。
VAT計算サービスでは、セラーセントラルの設定、出品用アカウント情報、企業情報、識別情報で登録した出品者の正式名称が、出品者のVAT登録番号に関連付けられている正式名称と完全に一致している必要があります。出品者の正式名称を正しく入力した後、ストアフロントに別の「商号」を表示したい場合、設定、出品用アカウント情報、企業情報、店舗名の順に「店舗名」を更新すると、希望の名称が表示されます。
出品者はグループVAT登録番号を取得しているが、VAT計算サービスに登録している会社がグループの代表ではない場合、出品者はVAT登録番号に関連するすべての会社の正式名称が記載された「構成会社証明書」を提出する必要があります。出品者がその会社をVAT計算サービスに登録する場合、正式名称の資格審査をパスするためには、その正式名称がこの証明書に記載されている必要があります。
Vertexの管轄選択ロジックは、4つのトランザクション関連の詳細情報を使用して、B2B(企業間)またはB2C(企業-消費者間)トランザクションのどちらであるかを判断します。また、VAT管轄区域および税の種類(VATなど)も特定します。4つのトランザクション関連の詳細情報は以下のとおりです。
出品者がセラーセントラルで送信した、政府認証済みのEUおよびイギリスのVAT登録番号はすべて、設定、出品用アカウント情報、納税情報、所在地情報(一部ストアではVAT情報)で確認できます。
購入者がAmazonアカウントで提供した、EUおよびイギリスのVAT登録番号すべての情報が考慮されます。
2020年1月1日より、欧州付加価値税(EU VAT)法では、購入者が発送元の国とは別の国にいる場合、国境を越えた商品供給に対するVAT免除/ゼロ税率適用の実質的条件として、購入者のEUのVAT番号(VIESで認証されたもの)が要求されることになっています。
購入者がVIES認証済みVAT番号を取得しておらず、かつローカルVAT番号を取得している場合、国境を越えた商品供給での欧州付加価値税(EU VAT)免除は発生せず、原産地(発送元住所)のVATが請求されます。これは、特にイタリアとスペインの購入者に適用されます。
たとえば、出品者(ドイツでVIES認証済みVAT登録番号を取得している)が、スペインのローカルVAT番号しか取得していないスペインの法人/個人事業主のお客様にドイツから商品を出荷する場合、出品者は国境を越えた商品供給に対してVAT免除/ゼロ税率を適用することはできず、商品の移動に対して出荷元であるドイツのVATが課されます。
6.3.1.フルフィルメント by Amazon(FBA)を利用して出荷する商品: 商品の出荷時に行われる最終的なVAT計算では、Amazonフルフィルメントセンターからの出荷について、実際の「発送元」住所(発送元の国)が使用されます。
6.3.2.VAT計算における出品者出荷の商品: 出品者出荷では、出品者が出荷完了手続き中に「発送元」住所を更新しない限り、出品者のVAT計算設定で設定された「デフォルトの発送元」住所(発送元の国)が使用されます。出品者は、セラーセントラルのアカウントの「デフォルトの発送元」住所を常に最新の状態に保つ必要があります。
「配送先」住所は、購入者が指定した国、州/郡、市、郵便番号に基づいています。AmazonのVAT計算サービスでは、特定のVAT除外地域に出荷された注文のVAT計算も処理されます。AmazonのVAT計算サービスでは、購入者が指定した住所と相互参照したときにシステムが最も正確であると判断した納税地に基づいて税額が計算されます。
商品タックスコードは、VATの納税義務のある国(税管轄区域)で出品者の出品商品に適用されるVAT率を判断するために重要です。
VAT計算サービスが有効になると、標準税率の商品タックスコード(A_GEN_STANDARD)が出品者のデフォルト商品タックスコードとして設定されます。VAT計算サービスでは、各国の商品に標準のVAT率が常に適用されます(たとえば現在ではドイツ19%、イギリス20%)。
このシステムのデフォルト設定を変更し、別の商品タックスコードを割り当てる場合には、出品者が税金設定で選択したデフォルト商品タックスコードの割り当てを変更するか、出品レベルでの商品タックスコードの割り当てを設定します。出品レベルでの商品タックスコードの割り当ては、個々の出品に適用され、出品者が選択したデフォルト商品タックスコードとは異なる商品タックスコードを選択する場合にも使用できます。出品レベルの商品タックスコードの割り当ては、デフォルト商品タックスコードよりも優先されます。
詳しくは、VAT率と私のPTCをご覧ください。
「デフォルトの発送元」(発送場所)住所がヨーロッパ以外にある出品者の場合、VAT計算サービスによるVAT請求書の作成やVAT計算は行われません。出品者には、出品者出荷のすべての注文について、VAT請求書を作成し、VATを計上する責任があります。
AmazonのVAT計算サービスでは、次の3つの主な要素を使用して、商品の出品時、注文確定時、および請求書に表示されるVAT計算をサポートしています。
AmazonのVAT計算サービスでは、出品者が提示する税込販売価格(「表示価格」)と、出品者のVAT登録状況に基づく以下に示すロジックを使って、どのVAT税率で税抜価格(「VAT抜き価格」)を設定するかが決定されます(該当する場合)。
出品者には、商品を出品する地域のストア(イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、ポーランド、オランダ、スペイン、スウェーデン)の購入者に向けた商品表示価格を提示することが求められます。そのため、表示価格からのVATの計算は、通常、以下の手順で実行されます。
9.1.1.企業間(B2B)トランザクションの場合:
9.1.2.企業-消費者間(B2C)トランザクションの場合:
上記に示すVAT抜き価格を決定する方法の例は、以下のとおりです。以下の例では、ドイツの標準VAT率(19%)およびポーランドの標準VAT率(23%)が使用されています。実際に使用されるVAT率は、商品タックスコードによって異なります(セクション7.0を参照)。
例A:
ドイツでVAT登録済みの出品者が、11.90ユーロで商品をAmazon.deに出品する場合、VAT対象商品には、標準税率で計算された次のVAT抜き価格(または適用されるVATを含む支払合計金額)が表示されます。
11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ
ポーランドでVAT登録済みで、「VAT抜き価格のデフォルトの国」もポーランドに設定しているが、ドイツではVAT登録していない出品者が、12.30ユーロの商品をAmazon.deに出品します。この場合、VAT対象商品には、標準税率で計算された次のVAT抜き価格(適用されるVATを含む支払合計金額)が表示されます。
12.30 ÷(1 + 0.23)= 10.00ユーロ
例B:
EUの企業-消費者間(B2C)トランザクション: 配送先の国のVAT登録番号を取得しているか、またはUOSSの簡略化を選択している出品者が、EU内でVAT登録していない購入者に商品を出荷する場合、VAT計算サービスでは「発送元」の国のVAT率を使用して、表示価格からVAT抜き価格を決定します。適用されるVAT率は、出品者が税金の設定で定義した商品タックスコードによって異なります。
EUのB2Cトランザクションの結果の例は、以下のとおりです。EUのB2Cの結果のすべての例については、セクション9.1.表示価格からVATを計算してVAT抜き価格を決定をご覧ください。
ドイツでVAT登録済み出品者が、11.90ユーロの商品をAmazon.deに出品し、商品をドイツからポーランドの購入者へ発送する場合、VAT対象商品には、標準税率で計算された次のVAT抜き価格が表示されます。
11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ
VAT抜き価格が決定されると、上記のロジックに基づいて、VAT抜き価格に対するVAT計算が再度実行されます。これにより、正確なVAT込み価格、つまり購入者に請求される合計金額も算出されます。
9.2.1.商品に対するVATの計算:
VAT抜き価格か決定されると、上記の方法でVAT計算を行うことにより、最終的なVAT込み販売価格が決定されます。この計算では、3つの主な要素(VAT登録番号、Vertexのルールとロジック、およびAmazonが適用する付随の方法)が考慮されます。
VAT計算の例は、以下のとおりです。
VAT抜き商品価格の計算: 11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ
最終的なVAT込み商品価格の計算: 10.00 ×(1 + 0.20)= 12.00ユーロ
これは、オーストリアでは20%のVATが適用されるためです。VAT抜き価格は変わりませんが、オーストリアのVAT率が高いために、購入者が支払う価格が増えます。
この場合、出品者がオーストリアで有効なVAT番号を取得していない、またはUOSS登録を選択していないと、EU VAT規則に基づくVAT計算を行うことができません。
VAT抜き商品価格の計算: 11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ
最終的なVAT込み商品価格の計算: 10.00 ×(1 + 0.20)= 12.00ユーロ
出品者は、UOSSのVAT番号で国境を越えたB2C販売に対して配送先のVATを請求します。この例では、オーストリアの20%のVATが適用されます。VAT抜き価格は変わりませんが、オーストリアのVAT率が高いために、購入者が支払う価格が増えます。
VAT抜き商品価格の計算: 11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ
最終的なVAT込み(適用されるVATを含む支払合計金額)商品価格の計算: 10.00 ×(1 + 0.00)= 10.00ユーロ
VAT抜き商品価格の計算: 11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ
最終的なVAT込み商品価格の計算: 10.00 ×(1 + 0.19)= 11.90ユーロ
購入者はイタリアのローカルVAT番号を取得しており、遠隔販売のVATで請求できないため、原産地のVATで請求します(つまり、B2C販売ではないため、遠隔販売のVAT規則は適用不可)。また、購入者のVAT番号がVIESで認証されていないため、EU域内商品供給に対する0%のVAT免除も適用できません。
9.2.2.プロモーションに対するVATの計算:
プロモーションは税込定額です。つまり、VAT込みプロモーション金額は、最終的にVAT込み販売価格を計算するときにのみ決定されます(セクション8.2 Aを参照)。プロモーションに対して計算されるVATは、その商品に関連付けられているVAT率に従います。VAT込みプロモーション価格が決定されると、商品に関連付けられているVAT率を使用して、VAT抜きプロモーション価格が算出されます。
EUの企業-消費者間(B2C)トランザクション: ドイツおよびオーストリアでVAT登録済みの出品者が、11.90ユーロの商品をAmazon.deに出品し、オーストリア(VAT率 = 20%)に拠点を置くB2Cの購入者に10%のプロモーション付きで商品を販売します。
VAT抜き商品価格の計算: 11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ(Amazon.deウェブサイトの表示価格)
VAT込み商品価格の計算: 10.00 ×(1 + 0.20)= 12.00ユーロ(オーストリアのVATを適用)
VAT込み商品プロモーションの計算: 12.00 × 0.10 = 1.20ユーロ
VAT抜き商品プロモーションの計算: 1.20 ÷(1 + 0.20)= 1.00ユーロ
最終的なVAT込み商品価格の計算: 12.00 - 1.20 = 10.80ユーロ
EUの企業間(B2B)トランザクション: ドイツおよびオーストリアでVAT登録済みの出品者が、11.90ユーロの商品をAmazon.deに出品し、オーストリア(VAT率 = 0% – VIESで認証されたVAT番号指定に基づく域内商品供給)に拠点を置くB2Bの購入者に10%のプロモーション付きで商品を販売します。
VAT抜き商品価格の計算: 11.90 ÷(1 + 0.19)= 10.00ユーロ(Amazon.deウェブサイトの表示価格)
VAT込み商品価格の計算: 10.00 ×(1 + 0.00)= 10.00ユーロ
VAT込み商品プロモーションの計算: 10.00 × 0.10 = 1.00ユーロ
VAT抜き商品プロモーションの計算: 1.00 ÷(1 + 0.00)= 1.00ユーロ
最終的なVAT込み商品価格の計算: 10.00 - 1.00 = 9.00ユーロ
9.2.3.配送料に対するVATの計算:
配送料は税込定額です。つまり、セクション6.0に記載されているトランザクションの詳細によって配送料が変わることはありません。VAT抜き配送料の場合のみ、トランザクションによって額が変わることがあります。以下の配送料の課税オプションをご覧ください。
例A:
EUの企業-消費者間(B2C)トランザクション:
ドイツおよびオーストリアでVAT登録済みの出品者が、ドイツからドイツ(19%)およびオーストリア(20%)のB2Cの購入者にそれぞれ商品を発送します。VAT込み配送料は、どちらの国も5.00ユーロです。どちらの場合も、購入者は常に5.00ユーロ全額を支払います。
ドイツの購入者へのVAT込み定額配送料:5.00ユーロ
VAT抜き配送料の計算: 5.00 ÷(1 + 0.19)= 4.20ユーロ
オーストリアの購入者へのVAT込み定額配送料:5.00ユーロ
VAT抜き配送料の計算: 5.00 ÷(1 + 0.20)= 4.17ユーロ
ドイツおよびオーストリアでVAT登録済みの出品者が、ドイツからドイツ(19%)およびオーストリア(0% – VIESで認証されたVAT番号指定に基づく域内商品供給)のB2Bの購入者にそれぞれ商品を発送します。VAT込み配送料は、どちらの国も5.00ユーロです。どちらの場合も、購入者は常に5.00ユーロ全額を支払います。
ドイツの購入者へのVAT込み定額配送料:5.00ユーロ
VAT抜き配送料の計算: 5.00 ÷(1 + 0.19)= 4.20ユーロ
オーストリアの購入者へのVAT込み定額配送料:5.00ユーロ
VAT抜き配送料の計算: 5.00 ÷(1 + 0.00)= 5.00ユーロ
配送料の課税オプション:
デフォルトでは、各配送料に対応する商品と同じ商品タックスコードが割り当てられます。そのため、配送料には同じ商品の課税ルールが適用されます。出品者は、配送料が常に標準のVAT率で課税されるかどうかを指定することで、デフォルトの配送料の課税ルールを上書きできます。
事業の税金設定についてサポートが必要な場合は、税務専門家に相談してください。
9.2.4.ギフト包装料に対するVATの計算:
ギフト包装料は税込定額です。つまり、セクション6.0に記載されているトランザクションの詳細によってギフト包装の合計金額が変わることはありません。VAT抜きギフト包装料の場合のみ、トランザクションによって価格が変わることがあります。ギフト包装の課税オプションをご覧ください。
例A:
ドイツおよびオーストリアでVAT登録済みの出品者が、商品をギフト包装し、ドイツからドイツ(19%)およびオーストリア(20%)の購入者にそれぞれ発送します。VAT込みギフト包装料は、どちらの国も3.00ユーロです。どちらの場合も、購入者は常に3.00ユーロ全額を支払います。
ドイツの購入者へのVAT込み定額ギフト包装料:3.00ユーロ
VAT抜きギフト包装料の計算: 3.00 ÷(1 + 0.19)= 2.52ユーロ
オーストリアの購入者へのVAT込み定額ギフト包装料:3.00ユーロ
VAT抜きギフト包装料の計算: 3.00 ÷(1 + 0.20)= 2.50ユーロ
ドイツおよびオーストリアでVAT登録済みの出品者が、商品をギフト包装し、ドイツからドイツ(19%)およびオーストリア(0% – VIESで認証されたVAT番号指定に基づく域内商品供給)の購入者にそれぞれ発送します。VAT込みギフト包装料は、どちらの国も3.00ユーロです。どちらの場合も、購入者は常に3.00ユーロ全額を支払います。
ドイツの購入者へのVAT込み定額ギフト包装料:3.00ユーロ
VAT抜きギフト包装料の計算: 3.00 ÷(1 + 0.19)= 2.52ユーロ
オーストリアの購入者へのVAT込み定額ギフト包装料:3.00ユーロ
VAT抜きギフト包装料の計算: 3.00 ÷(1 + 0.0)= 3.00ユーロ
ギフト包装料の課税オプション:
デフォルトでは、対応する商品と同じ商品タックスコードが各ギフト包装料に割り当てられます。そのため、ギフト包装料には同じ商品の課税ルールが適用されます。出品者は、ギフト包装が常に標準のVAT率で課税されるかどうかを指定することで、デフォルトのギフト包装の課税ルールを上書きできます。
事業の税金設定についてサポートが必要な場合は、税務専門家に相談してください。
VATは、注文確定日に有効なVAT計算ルールおよびVAT率を使用して、注文確定時に事前計算されます。ただし、購入者に実際に請求されるVATは、注文確定時点で有効なVAT計算ルール(出品者および購入者のVAT登録番号の状況を含む)、VAT率、実際の発送元/配送先住所に基づきます。
支払い方法の請求の承認は、出荷方法に応じて、注文の送信直後に行われる場合と、商品の発送直前に行われる場合があります。
さまざまな要因により、注文確定日と出荷日の間で変更になる可能性があります。 そのため、事前計算されたVAT額が、実際に請求される金額と異なる場合があります。たとえば、VAT計算ルールやVAT率、実際の発送元住所が変更になる(フルフィルメント by Amazonの設定で確認)場合があり、それらに基づいて請求されるVATが増減することがあるため、結果として利益率の増減につながる可能性があります。
すべての返金額はVAT抜きで処理されます。返金のVAT計算では、関連する元の販売取引のVAT計算処理に従います。
購入者への返金処理は、商品がフルフィルメント by Amazon(FBA)によって配送されたか、出品者出荷によって配送されたかによって異なります。
AmazonのVAT計算サービスでは、購入者による返品と購入者以外による返品において、返金および調整に対するVATが計算されます。たとえば、出品者は商品に対して一部返金を行うものの、購入者に返品を求めない場合があります。
AmazonのVAT計算サービスでは、出品者がセラーセントラルから行うすべての返金に対してVATを計算します。このような返金はすべて、出品者が独自の裁量で行います。
AmazonのVAT計算サービスは、VATのみの返金には対応していません。 これは主に、EU内でB2Bの国境を越えた商品供給に適用されます。購入者が他のEU国のVAT登録番号を出品者に後で伝え、課税されたVATの返金を申請する場合です。VATのみの返金を処理する場合、出品者は「任意」返金のオプションを使用し、独自の負担額通知書と新しいVAT請求書を作成する必要があります。
AmazonのVAT計算サービスでは、出品者に代わって、購入者宛てのVAT請求書および負担額通知書を出品者の名前で自動的に作成します。ただし、AmazonのVAT計算サービスを使用して作成されたVAT請求書については、出品者がその法的な発行者となります。VAT計算およびVAT請求書の作成は、VAT計算サービスの有効化日より前に受注され、有効化日より後に出荷された注文についても行われます。出品者は、AmazonのVAT計算サービスへの登録後に発生した注文およびすべてのトランザクションについては、VAT請求書および負担額通知書を作成しないようにする必要があります。
出品者は必要に応じて、VAT計算サービスに登録する前にトランザクションが成立したものの、サービス登録後に返品/返金になった場合の負担額通知書を作成する必要があります。
VAT請求書および負担額通知書に対して、出品者が政府認証済みVAT登録番号を取得している国ごとに一意の続き番号が作成され、文書に印刷されます。請求書番号は続き番号として作成されます。出品者がVAT計算サービスを無効にし、再度有効にした場合、番号は最後の番号から続けられます。
購入者によるVAT登録や会社登記が行われていない、または個人納税者番号がない場合の販売については、上記のとおり領収書として発行されます。XML形式では作成されません。
次の条件を満たしている場合、XMLはSDI(Sistema di Interscambio)に送付されます。
VAT請求書は、セラーセントラルでダウンロードできます。
AmazonのVAT計算サービスを利用している出品者の場合、VAT計算レポートには出品者のVAT計算情報が含まれます。この情報は、出品者の定期的なVAT申告書の提出準備に役立ちます。出品者は、セラーセントラルのアカウントから、このレポートにアクセスできます。 「レポート」タブの下にある「タックス関連文書ライブラリ」フォルダーを選択し、「Amazon VAT計算」タブをクリックして、「レポートの種類」ドロップダウンメニューから「VAT計算」を選択します。
その他の情報も、セラーセントラルのレポートセクションにある月次のAmazon VATトランザクションレポートで確認できます。
税金関連の申告書の編集および提出でサポートが必要な場合は、税務専門家に相談してください。